台湾大學語学センターについて
私は2023年8月末から2024年8月までの1年間、國立臺灣大學語文中心中國語文組(CLDと言われています)で中国語を学びました。CLDは1クラス8人以下、1日3時間月曜日から金曜日までの授業です。1学期はおよそ12週間です。在校生の半分近くがアメリカ人で、日本人は16パーセントだそうですが、私は9か月間はクラスに日本人は私一人で、最期の3か月だけもう一人の日本人がいました。実用視聴華語2から始め、次の学期は3を、その後半年は「台湾多視角」という台湾大學が新しく作ったテキストを使用しました。台湾大學の使用テキストは古いと長年言われてきましたが、現在は新しい教科書を採用し始めています。
最初の秋季はクラスの生徒が7人、アメリカ人2人以外は全員ばらばらの国籍でした。台湾に来る前に、長らく休んでいた中国語レッスンをオンラインで再開したのですが、その時はレベルチェック後、視聴華語3からやりましょうと言われていましたので、CLDのクラス分けで2から始めるクラスだったことに多少のショックがありました。でも結論はよかったです。基礎的な文法も怪しかったからです。
次の冬季は7人のうち4人が継続し、4人だけのクラスになりました。前のクラスから一緒で、先生も変わらず、気心も知れていますが、4人はちょっと寂しい。でも発言の機会は多かったですし、このクラスでは先生は「この課でならった語法を使って〇〇について話して」と言うことがたびたびありました。
つぎの春季は最初8人でしたが、新しく加入してきた中に、ご主人が台湾人、在台8年という女性が、常に人の発言を奪うような人で、さらに承認欲求が強いタイプ。それに嫌気がさしてクラスメートの1人はほかのクラスに変わっていきました。CLDでは学期が始まって1週間ほどクラスの程度が合わないなどでクラス替えが希望できます。でも最高8人までなので、すでに8人いるクラスに変更することはできません。
私もこの女性はあまりにひどいと辟易していましたが、ほかの生徒はとてもいいこと、幸いにも(?)たびたびこの女性が家庭の事情で休むので、なんとか我慢しました。先生自体は良い先生でしたが、順番に当てるのは学生が緊張するというので、発言できる人が発言するというスタイルで、その生徒との組み合わせは最悪でした。最後の夏期は先生が指名してつぎつぎにあてる方式でした。生徒は8人、その半分がアメリカの某大学の学生でした。年齢も違うし、学校以外でも一緒に過ごすということはなかったですが、授業の休み時間には雑談したり、楽しく過ごせました。
台湾大學は、もともと在校生は300人ぐらいで、上級になるほどクラスが少なくなりますので、なんだか中国語のレベルが違う人たちが混在している印象でした。日本人は漢字には慣れていますが、中国語には日本語にない発音も多いし、音ではなく目で漢字を追うのでリスニングが苦手な傾向がありますが、欧米の学生は、漢字を理解することがやはり苦手ですが、そこそこ話せる人が混ざっている印象でした。
半年たった頃にクラスが細分化されている師範大学に変わろうかと思いました。が、ちょうど停留ビザから居留ビザにに切り替える時で、スムーズに切り替えたかったので、学校を変えることを避け、引き続きCLDに在籍しました。最後の3か月、こんどこそ師範大学にと思いましたが、新しく入る人は午後2時過ぎからのクラスしか選択できないので、朝型の私には合わないと思い、師範大学への転校をあきらめました。
結果1年間台湾大學に在籍したのですが、今となっては良かったです。他を知らないので比べようがないですが、
・CLDの先生はやはり優秀で、良い先生ばかりでした。ですが、個人的に苦手なところの対策 などは、こちらから質問しないと先生は教えてくれませんので、「〇〇が苦手なのですが、どのように勉強したらいいでしょうか」などはどんどん先生に聞いたほうがいいです。
・「CLDは厳しい」という評判だからか、生徒も真面目な人が多いです。
・「台湾多視角」という教科書は、すこし難しいですが、私は好きでした。台湾の習慣や制度や産業などを紹介していて、「台湾すごい」っていう自画自賛がちょっと強いので、「はい、はい台湾すごいね」って感じもありましたが、実用華語3を終わるとあとは実践で学ぶということで、学校をやめる人も多いのですが、上級の教科書の単語はやっぱり大人の会話には必要な単語が多いし、上級の表現を勉強できたことはよかったと思います。
・CLDの学生も台湾大學の施設を使用することができますし、学生割引も効きます。大学の図書館もジムもクリニックも正規学生と同様に利用できます。CLD近くの社会学部の図書館は新しくてきれいで私のお気に入りの自習場所です。
私の平日の一日は、朝8:20からの授業を受けて、授業の後はだいたい大学でお昼を食べて自宅で勉強することが多かったです。
授業の復習と宿題で夕方までかかります。最後の3か月は1週間おきに試験とプレゼンがありましたので、結構大変でした。夜は寝る前は暗記に良い時間帯なので、単語を復習していました。半年ほどは月曜日から木曜日まで、台湾大學の大学院を卒業したばかりで台湾の有名企業で働く人と言語交換していました。先生が言語交換がいいと言うので、始めたのですが、もともと頭痛持ちだったのが、言語交換の時間が固定されるとその前にいろいろやらなきゃいけないと自然にストレスになっていたのか、具合がよくなくなったりして辞めました。
学校内を案内してもらったり、年代が違うことは気にしていない人でとっても楽しかったのですが、体調にはかえられず残念でした。
学校ではサークルに入るというのもいいですが、台湾大學のサークル(社団)には、興味があるサークルがありませんでしたので、サークルには入っていませんでした。クラスメートも大学のサークルに入っている人はいませんでしたが、中国茶研究会などの台湾文化のサークルに入っている外国人留学生もいるようです。
週末は、土曜日朝、森林公園で運動をしているシニアグループに声をかけて参加させてもらっていました。土曜日だけの参加ですが、新年会に誘ってもらったり、雑談したりして、みんないい人で楽しかったです。留学サイトにはいろいろな年代の人が台湾に語学留学していると書いてありますが、CLDでは私は在学中自分ぐらいの年齢の人には日本人以外でも会ったことはありませんでした。せいぜい40代です。台湾で生活する中で、同じシニアと交流できたことは貴重な経験でした。
それ以外は週末は映画館に行ったり、googleでお店や施設を検索して出歩くようにしていました。やはり出かけると生きた中国語に触れる機会が増えるので、意識して出かけていました。
社会学部図書館内です。明るくてきれいです。窓際に沿って机が並んでおり、そこで勉強できます。机にはデスクライトとコンセント口がついています。CLDの学生も学生証をタッチすれば入館できます。